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(妄想小説)僕たち少年探偵団(第2部) 第2話 [妄想小説]

 それから2週間程後のこと、二人がこうちゃんの飼ってるポチを散歩に連れ出した時のことだった。新興住宅街にある児童遊園でポチと遊んでいたら、真っ黒な車に乗せられた元也が、厳めしい男達に囲まれ、住宅街の外れにある高い塀で囲まれた大きな家に連れて行かれるところを目撃した。
「あっ、雷のおじさんだ!」
「えっ、どこどこ?うわあっ、いっぱいケガしてるよ!血も出てる・・・。早く病院に行かなくちゃ!」
「待って、なんだか変だよ・・・。ちょっと様子を見に行こう!」
 2人は大きな家に一番近い、植え込みに隠れて、中の様子を伺った。すると、家のガレージのシャッターが開き、グルグルに縛り上げられさっきよりケガの増えた雷のおじさんが、車のトランクに入れられ、どこかに連れ去られて行った。
 2人は、最初駅前の交番のお巡りさんに言おうと思ったが、元也が昔お巡りさんに捕まったことがあると言っていたことを思い出し、取り敢えず探偵の近藤さんに相談しようと、近藤と熊田が一緒に暮らすアパートに向かった。だが、待てど暮らせど、二人は帰って来なかった。二人は、元也のことが心配で、心配で待ってるうちに涙が溢れてきた。6時にようやく熊田と近藤が戻った時には、二人が玄関の前で大泣きしていた。
「ヒック、ヒックっ・・・。駅裏の商店街の雷のおじさんがいっぱいケガしてるのに、どこかに連れて行かれた〜っ・・・!」
「いっぱい血も出てたのに・・・・雷のおじさん、死んじゃうよ〜っ・・・!」
 二人の言うことに要を得ない熊田と近藤だったが、二人に新興住宅街の例の家に連れて来られて、初めて事情を理解した。そこは、最近この町に移ってきた、鬼沢の組と対立する青雲会の事務所兼自宅だった。取り敢えず、駅前の交番に駆け込み、事情を説明した。交番にいた、須藤翼警部補が警察本部に報告。だが、本部からの返事は、子どもの証言だけで、動くのは難しいとのことだった。
 日が暮れ始め、いつまでもここで話をしても埒が明かないと判断し、翌朝から熊田と近藤が張り込むので、二人は安心して帰るようにと言われ、だいちゃんとこうちゃんは、泣きながら家に戻った。

 朝になり、2人は雷のおじさんが心配で、お父さんお母さんにポチを散歩に連れて行くと言って、児童公園にやってきた。そしてあの家の前の植え込みに隠れて覗いていると、熊田先生と近藤のお兄ちゃんが、家の様子を伺おうと、何度も家の前を往復していた。
「あ〜あ〜あっ、そんな事してたら、見つかっちゃうよ!熊田先生は仕方ないけど、近藤のお兄ちゃん、探偵なのになってないなあ・・・」
「あっ、誰か出て来た・・・」

「おい!お前ら、さっきから家の前を彷徨きやがって、何かいちゃもんでも付けに来たんか?」
「いえっ、別に・・・。ここ散歩してるだけですから・・・」
「あああん!何、しらばっくれてるんだ!さっきから監視カメラにお前らのこと写ってるんだよ!ちょっとこっち来いっ!」
「止めてください!暴力は止めてください!誰かっ!誰かっ!助けてください!」
「止めてください!こっちは家の前にいるだけじゃないですか!暴力振るうと警察に訴えますよ!」
「だから話聞こうってんだよ!来いっ!」
 ワラワラと、男達が出てくると、熊田先生と近藤のお兄ちゃんも、家の中に連れて行かれてしまった。
「だから、言ってるのに・・・」
「探偵の基本もできてないですね・・・」
「でも、こうなると、先生とお兄ちゃんもどこかに連れて行かれちゃうよ・・・」
「・・・そうだっ!きっと同じところに連れて行かれるはずだから、後を付けよう!」
「えええええええっ?どうやって?」
「良い方法、思いついたんだ!ちょっとこっち来て・・・」
 二人は、ポチを公園の鉄棒に繋げると、公園の逆の入口から出て、青雲会の事務所の監視カメラに写らないよう、壁沿いに近づくと、ガレージのシャッターの隙間から、ガレージに入り、車のマフラーに、持って来たポチの餌袋を縛り付け、1粒ずつ落ちるように、小さな穴を開けると、元の場所に戻った。そしてビデオカメラで暴力団の家の全景を撮影し、次にガレージの様子を撮影し続けた。案の定、しばらくすると口枷を噛まされ、ロープで縛り上げられた二人が男達に連れられ出てくると、車のトランクに入れられ、車が出て行った。二人は、ポチを連れ、車が走り去った方に向かった。
「ポチ、大好きな餌探して!」
 するとポチが走り出し、落ちていた餌を見つけて食べると、次の餌の臭いのする方に走り出した。3人は、必死でポチの後を追った。車は、町を出ると港に向かい、倉庫街の一番端まで来たようだ。そこから少し離れた空き地に、青雲会の借りているボロボロの倉庫があった。その前で餌は無くなっていた。二人は、この倉庫に間違いないと思い、必死で入口を探したが、どこも鍵が掛かって入れそうもなかった。
「こうちゃん!こっち来てっ!ここから入れるかもしれない・・・」
 倉庫の丁度裏の角のスレートが壊れ、子ども1人なら入れるほどの隙間があった。2人は静かに、そこから倉庫の中に潜り込んだ。壁際には、たくさんの段ボールが積み上げられていたが、壁との間にやっと人1人が通れるぐらいの隙間があって、それを伝いながら、積み上げられた段ボールの山の横に回り込むと、それぞれの山の間も小型のリフトが通るほどの道が空いていた。慎重に、屈みながら、倉庫の中央に向かった。段ボールの山は、倉庫の真ん中ぐらいまでで、その先は、また空いていた。そこに雷のおじさんと、熊田先生と近藤のお兄ちゃんが、素っ裸のまま口枷を噛まされ、転がされていた。2人は用心して、周りを確認し、倉庫の前にも、もう車がなかったことから、急いで雷のおじさんに近づいた。
「おじさん大丈夫?」
 大ちゃんの声に、おじさんが顔を上げると、ビックリしたように目を見開き、必死であっちへ行って逃げろと頭を振った。大ちゃんは、持って来たナイフで、雷のおじさんを縛っていたロープを切ると、熊田先生と近藤のお兄ちゃんのロープも切った。
「危ないから、すぐに逃げろ!何してるんだ、殺されるぞ!早く逃げろっ!」
「大丈夫!ここ来るまでの間すれ違わなかったし、まだ少しは大丈夫だと思う。僕たち、これから警察のお兄ちゃん連れて来るから、それまでの間隠れてて!」
「ダンボールの山と壁の隙間に人1人ぐらいなら隠れる場所あるから、見つからないように分かれて山の後ろに潜り込んで隠れてて・・・じゃあ、行ってくるっ!」
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